【主訴】腰痛・足の冷え
【患者さん】大阪市在住 40代 女性 医療従事者
【治療日】2015年4月15日
【現病歴】
1~2週間前から、冷えを感じる。
それに伴い、右腰に張った痛みが生じた。
ピンク色の部分が疼痛部位です。
【他の問診情報】
主訴とは別の部分に関して。
・神経を使う仕事をしている。
・仕事中は、疲れを意識しにくい。職場からの帰り道に、疲れがどっと出てくる。
・風にあたると、嫌な感じがする。
【治療方針】
問診情報(掲載を省略)と体表観察情報(掲載を省略)より、精神的・肉体的疲労が蓄積している状況だった。
また、主訴発症の時期は、昼と朝晩の寒暖差が激しかった。
上記の状況から、精神的・肉体的疲労の状態の中、寒暖差の激しい気候に晒されて、風邪(風寒)をひいてしまい、そのため腰部(身体の下部)で気血の流れが停滞し主訴(腰痛と足の冷え)が発症したと考えた。
上記の原因に対し、まず風邪(風寒)を治す治療を施す事にした。
【治療】
申脈穴に鍼を1本置鍼。
以上。
外くるぶしの下、ピンク色の部分が申脈穴です。
【治療の結果】
身体全体が温もる。
腰の痛みがとれる。
足の冷えは、少しマシになる。
【院長のコメント】
・今回の患者さんは、日頃から疲労が溜まっている状態でした。そのため、昼夜の急激な寒暖差に身体が適応出来なくて、風邪を引いてしまいました。その風邪の症状が、腰痛として現れたのです。
・腰痛というと、同じ姿勢(坐位や立位)を長時間していたり、重い物を持ったり、無理な姿勢をした為に筋肉や骨を痛めた事が原因と考える方が多いと思います。確かに、それが原因の事もありますが、それ以外が原因の事もあります。
・実際に今回の患者さんは、痛かった右腰ではなく、足首に鍼をして治りました。腰痛と聞くと腰が原因、肩こりと聞くと肩が原因と考えて痛い部位を治療しがちですが、他の部位を治療して治ることがあります。もし、ずっと同じ治療を受けていても改善されない場合は、他の原因も考えた方がいいと思います。
・身体の冷えに関して。今回の患者さんは鍼で温もりました。実際に、お灸を使わなくても身体は温もります。外から熱を加えても温もらなかったり、すぐ元の冷えた状態になる人。よく不妊症の人にも多くみられますが、他の部分は暖かいが足先だけ冷えている状態の人などは、ただ温めるのではなく、何故そうなるのか?という事をきちんと考えて治療と養生をする必要があると思います。
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文:荒木かおり