こんにちは。風待堂鍼灸院の荒木かおりです。
先日(10月18日)は、鍼灸の定例会(勉強会)に参加してきました。
東洋医学のレントゲン
午前中は、足立尚哉先生による『舌診講義』でした。
東洋医学は、目に見えない『気』という概念を非常に大切にします。
その気の状態を伺うために色々な診察方法があります。
その中で『舌診』は、目に見える診察方法の1つです。
講義は、120枚のスライドを使って行われ、舌診の歴史から解説をして頂きました。
心主與三焦爲表裏。倶有名而無形。
午後の1コマ目の講義は、堀内齊毉龍先生による『臓腑経絡学。心包・三焦』
でした。
『肝。心。脾。肺。腎。』『胆。小腸。胃。大腸。膀胱』という臓腑の名前については、聴いた事があると思います。
これらの臓腑の名前は、現在の西洋医学でも用いられており、名前を聴いた事があると思います。
『心包』と『三焦』という名前の臓腑を初めて聞く人も多いと思います。
この2つの臓腑も、東洋医学の臓腑です。
この2つの臓腑は、難経(なんぎょう)という古代の東洋医学の書物に『心主と三焦は表裏をなし、ともに名ありて形なし』と言われている臓腑です。
名前はあるけど、形はない。
難しいですね。
その難しい臓腑を臨床の話を交えて、分かりやすく講義をして頂きました。
胃の気の脈診
午後の2コマ目の講義は、原元氣先生による『胃の気の脈診』でした。
霊枢という古代の医学書に
凡將用鍼.必先診脉.視氣之劇易.乃可以治也.
(およそまさに鍼を用いんとせば、必ず先ず脈を診て、気のゲキイを視て、すなわち以って治すべし)
『鍼で治療を行う場合は、必ず脈を診なさい。』と、脈診の重要性について書かれています。
それほど脈診は、重要な診察方法の1つなのです(ただし、それで全てを決めてはイケマセン)
脈診にも色々な方法がありますが、古代から重要視されている『胃の気』に注目した脈診である『胃の気の脈診』について、講義をして頂きました。
今回は実技がない勉強会でしたが、重要な講義がいっぱいでした。
文:荒木かおり