1月6日は、二十四節気の小寒(しょうかん)でした。
小寒とは、
二十四節気の1。
太陽の黄経が、285度に達した時。
現行の太陽暦で、1月6日ごろ。
寒の入り。
大辞林より
と、あります。
段々と寒さが厳しくなる頃ですよ。という意味です。
その為、この時期を『寒の入り』とも言います。
この時期の水は、腐りにくく。澄んでいます。
その為、お酒やお味噌を仕込むのに適している時期でもあります。
また、
昔は、この時期の寒さを利用して『寒天』や『凍豆腐(高野豆腐)』等の、天然のフリーズドライ食品を作っていました。
このように、寒さは人々の生活に役立ちます。
ただし、
寒さが厳しすぎたり、寒さがそれほど厳しくなくても、身体が自然に対応出来ないほど弱っていると、人体に悪影響を及ぼす事があります。
寒邪について
人体に悪影響を及ぼす寒さを『寒邪(かんじゃ)』と言います。
この寒邪には、以下の様な特徴があります。
1)寒は陰邪、陽気を損ないやすい。
寒は陰気が盛んであり、人体の陽気を損ないやすいです。
その為、
陽気による温煦作用が上手く機能しなくなり、
全身あるいは、局部に寒冷の現象が現れます。
手足が冷えたり、悪寒がしたりします。
また、
寒邪が胃腸等に入ると、腹痛や下痢、嘔吐等の症状を引き起こす事があります。
2)寒の収引性
寒邪は収斂(しゅうれん。縮んだり、引き締まる事)させる作用があります。
寒邪が経脈に入ると、疼痛や筋肉のひきつりを生じます。
寒邪が肌を侵襲すると、毛穴が閉じます。
毛穴が閉じるので、無汗になります。
無汗になると、体内の余分な熱が体外に出れなくなり、湿疹や痒みが生じる事があります。
3)寒の凝滞性
寒邪が陽気を損傷して、収引すると。
気血がスムーズに流れにくくなる為に、気血の停滞が起こります。
その為、気血が正常に流れなくなった部位に痛みが生じます。
頭痛・肩こり・腰痛
もし寒邪が原因で、頭痛や肩こり、腰痛が発生したのならば、温めるとそれらの症状が軽減します。
逆に、冷やすと症状が強くなります。
これらが、寒邪による痛みの特徴です。
小寒の養生
上記の寒邪が、体調を崩すキッカケになり易いです。
その為、寒邪が身体に入ってこない様に予防をする事が大事です。
寒邪に負けない様に、暖かい服装を心がけて下さい。
特に、寒邪は陰邪の為、陰である足元から身体に入りやすいです。
足元から、服装を見なおして下さい。
寒さは身体に色々な症状を引き起こしますが、美味しいお酒やお味噌を作る働きもあります。
悪いばかりではなく、良い働きもあります。
工夫をして、この時期を乗り切りましょう。
参考文献
基礎中医学 燎原
鍼灸学[基礎篇] 東洋学術出版社
文:荒木かおり