大阪市在住 20台女性
【主訴】首・肩から腰にかけての冷えた痛み。
【随伴症状】鼻水。喉の痛み。足の浮腫。
(主訴発症の病歴)
来院2日前の夜に、クーラーをつけたまま就寝。
その翌日から、主訴発生。
妊娠初期の為、風邪薬は服用せず。
(体表観察情報)
【舌診】淡紅舌。薄白苔~少し舌根部白膩舌
【脈診】一息4至。滑脈。
【腹診】右脾募、胃土、右肝相火に邪。臍下に冷え。
【原穴診】右外関に冷え。右後谿に実熱。左神門に虚。左申脈に虚。右太衝に実。
【背候診】左胞肓から外側にかけて、冷え。右腎兪から、志室にかけて虚。右脾兪に虚。右肝兪に実。右膈兪に冷え。
左肺兪を中心に風門から厥陰兪の上部にかけて虚して発汗。督脈の圧痛が、脊中・筋縮・身柱・風門の間に有り。
(体表観察補足情報)
自汗なし。
両膝の上部の周囲に冷え。
背中全体が冷え。
(診断と治療)
【弁証】葛根湯証
【治則治法】解肌発汗・舒筋
【治療穴】右外関。
抜針後、身体が暑くなり。発汗して身体が軽くなる。
(養生指導)
背中にタオルを入れて寝る事。
(考察)
漢方薬の『葛根湯』について
葛根湯には、以下の効能があります。
頭痛・発熱・悪寒・鼻かぜ・肩こり・筋肉痛
風邪の症状と聞くと、頭痛・発熱・喉痛・悪寒・鼻水といった症状を思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか?
東洋医学の風邪の症状はもう少し範囲が広いです。
赤字で書いた肩こり・筋肉痛も症状に含まれます。
そして、鍼で風邪を治療出来ると、大きな利点があります。
妊娠時や授乳時など服薬の制限がある時でも治療が出来る事です。(今回は患者さんが早めに来院して頂いたお陰で、早く治りました。)
このような素晴らしい治療方法を学ぶ機会が得られたのも、師匠である藤本蓮風先生をはじめ先輩の先生方のお陰です。
ありがとうございます。