東洋医学からみた、大腸のお話の続きです。
前回までのお話で、大腸には『糟粕(そうはく。食べ物のカスの意味)』を運ぶ役割がある事を伝えました。
前回までのお話
今回は、『糟粕』からの水分吸収についてお話をします。
津を主る
小腸から輸送された糟粕から、有用な水分を再吸収する働きが大腸にはあります。
その為、
大腸の伝導機能が何かしらの原因で低下し糟粕が大腸に長時間停滞すると、大便の水分が過大に失われ便秘になる事があります。
また、
大腸で水分の再吸収が上手く出来ないと、逆に下痢になる事があります。
勿論、便秘と下痢のメカニズムについては、他の原因が多数あり、上記の内容は一例にすぎません。
お通じについて
便秘や下痢の状態は良くないと、簡単に決める事が出来ないと私は思います。
例えば、傷んだ食べ物を摂取して、下痢になったとします。
この状態の下痢を簡単に止めていいかというと、それは一概には言えないのではないでしょうか?
何故ならば、この下痢は身体の防衛反応である可能性が高いからです。
身体にとって有害である物質を早く体外に排出する為に、下痢になった可能性が高いからです。
勿論、暴飲暴食の後の下痢も同様の事が言えると思います。
ただし、下痢が続き身体がシンドくなってきた場合は、下痢を止める必要が出てきます。
その下痢が、生理反応なのか、それとも病気なのかきちんと判断をしなければならないと思います。
また、便秘に関して、
ビッグドクターハンディ版・家庭医学辞典には
便秘とは、便通の回数が減り、便が硬くなり、また十分に量のでない状態のことです。
健康人では1日に1~2回排便があるのがふつうですが、2~3日に1回でも、それが習慣になっていて、ほかにおなかが張るとか腹痛、頭痛などの苦痛が何もなければ便秘とはいいません。
反対に、1日に1回排便があっても残便感があるような場合は便秘と考えます。
と、あります。
どうしても便秘と聞くと、便通の回数のみで判断してしまう事があります。
回数よりも、残便感や便が出ない事による苦痛の有無で便秘かどうかを判断した方が、いいと思います。
例えば、
食事の量が少なれば、出る量も少なくなります。
その為、2日に1回のお通じになる事も考えられます。
その状態で下剤を乱用するのは、あまりいいことでは無いと思います。
勿論、何らかの苦痛があれば別ですが。
生理的な反応なのか、それとも、病気としての反応なのか。
他の症状の時にも見極め無ければならないと思います。
今回で、大腸のお話は終わります。
次回からは、『胃』についてお話を致します。
文:荒木かおり