今回から、大腸のお話をします。
大腸の位置
十六椎(腰椎の4番と5番の間にある陽関穴)に付着します。
形態と機能
江戸時代に日本で編纂された百科事典である『和漢三才図会』には、下記の様に書かれています。
大腸は、傳導の官である。変化これより出ず。
小腸の下において、糟粕を出す事を主る。
故に、傳導と変化を為すなり。
大腸の上口は、即ち小腸の下口なり。
上記の内容を意訳すると、
大腸は、(食物の)輸送を管轄しています。
そして、大腸は小腸の下にあり、糟粕(食べ物のカス。つまり、大便)を出します。
その為、傳導と変化をすると言われています。
大腸の入口は小腸の出口に続いています。
という意味が書かれています。
そして、和漢三才図会には、
大腸が、廻腸、広腸、直腸、肛門から成る旨が書かれています。
肛門ですが、別名を魄門というと書かれています。
『魄』というのは、肺の精神作用の1つです。
東洋医学では、肺と大腸は表裏の関係にあります。
肛門の別名を魄門というところからも、肺と大腸の関係性を伺う事が出来ます。
また、痔を治すためのツボの1つに、孔最穴という肺経のツボがあります。
今回のまとめとして
大腸は、食物を輸送し、カスを出す働きを担っている。
大腸と、肺は関係が深い。
という事です。
次回は、肺と大腸の関係についてもお話をしていきます。
文:荒木かおり