脾について。その3(脾は昇清を主る。)

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東洋医学からみた『脾』のお話の続きです。

 

 

 

昇清を主る

 

昇清(しょうせい)の、

昇とは、脾気が上昇する性質をいいます。

 

清とは、水穀の精微などのことです。

 

昇清とは、

脾が水穀の精微などの栄養を吸収して肺に上輸して、心・肺と協力して気血をつくり、全身を栄養する機能のことです。

 

脾の昇清機能は、前回の『運化機能』の表現の1つと考えることも出来ます。

 

異なる表現を用いるのは、何か意味があると考えられます。

 

私は、一番高い位置にある『肺』に、水穀の精微を運ぶ作用を強調しているのだと思います。

 

関連:運化機能については『脾について。その2(脾の機能1)

 

関連:なぜ肺が臓腑で1番高い位置にあるのかについては『肺について。その1(肺の位置)

 

 

 

めまい・たちくらみ。慢性の下痢・脱肛・子宮下垂などの内臓下垂

 

脾の昇清機能は、栄養を身体の上部に引き上げる作用とも言えます。

 

そのため、脾の昇清機能が低下した結果、めまい・たちくらみなど身体の上部に起こる症状が発生しやすくなります。

 

また、慢性の下痢を引き起こす事もあります。

 

そして、

脾の昇清機能には、内臓を引き上げる作用もあります。

 

その為、脾の昇清機能が著しく低下した結果、脱肛や内臓下垂(胃下垂、子宮下垂など)を生じる事があります。

 

 

 

『胃は降濁を主る。』『脾は昇清を主る。』

 

脾は昇る機能で、胃は降る機能。

 

この2つの機能のバランスがいいと、体調が整っている状態の1つとも言えます。

 

関連:『胃について。その4(胃は、通降を主る。降をもって和とする)

 

 

次回も引き続き、脾の機能のお話を致します。

 

 

 

 

追記

『脾について』のまとめ

 

 

 

 

 

参考文献

鍼灸学[基礎篇] 東洋学術出版社

基礎中医学 燎原

文:木下かおり

 

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