こんにちは。風待堂鍼灸院の荒木かおりです。
今回から、各臓腑のお話をしていきます。
臓腑のお話の順番は、肺→大腸→胃→脾→心→小腸→膀胱→腎→心包→三焦→胆→肝の順番でお話をしていきます。
この順番は、経絡の順番です。
経絡とは、簡単に言えば『気血の通り道』です。
肺から始まって肝で終わるのですが、『如環之無端(たまきのはし、無きがごとし)』と言われてまして『輪っか』には、終わりが無いですね。
また循環していきます。肝の次は、肺です。
この循環していく。という考えが、また重要なのですが。
1年も、春から始まり冬で終わりじゃないです。また、春が来ますね。
同様に、つらい事があっても必ず終わりがあります。
このように、万物は流転しています。
話が逸れてしまいましたが、経絡も循環しています。
私は鍼灸師なので、臓腑のお話を経絡の順番でお話をしていきたいと思います。
それでは、初回の肺です。
肺
【位置】
肺は胸中に位置し、膈膜の上の第三椎に附着します。
五臓六腑の中で最も高い場所にあり、他の臓腑を傘の様に覆っています。
肺は五臓の中で、一番高い位置にいます。
それは、肺の機能である『宣発粛降(せんぱつ・しゅくこう)』を行い易くする為です。
宣発とは、広く発散させて行き渡らせること。
粛降とは、粛とは『粛清』の粛であり、清らかにする事。降は、降ろす意味です。
宣発粛降とは、気や水を全身に広く発散させて降り注ぐ作用です。
上記の様な作用をするには、高い位置から行った方が効率がイイですね。
その為、肺が臓腑で一番高い場所に位置するわけです。
宣発粛降のイメージ
イメージとしては。
遠い場所まで水を撒こうとすると、いったん高く上げて水を撒いたほうが広く撒けます。
屋根に登って、ホースで庭に水をまき散らす感じを想像してみて下さい。
だから肺は、臓腑として一番高い位置。膈膜の上の第三椎に附着します。
今回は、ここまでにします。
今回は、肺の位置についてお話をしました。
次回は、肺の形態についてお話をします。
参考文献
基礎中医学 燎原
鍼灸学[基礎篇] 東洋学術出版社
臓腑経絡学 改訂第三版 アルテシミア
荒木かおり