胃について。その4(胃は、通降を主る。降をもって和とする)

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東洋医学から観た、胃のお話の続きです。

 

 

前回までのお話は、こちら

 

胃について。その1。

 

胃について。その2。

 

胃について。その3。

 

 

 

ここから、今回のお話です。

 

胃の働きの続きと、特徴のお話です。

 

 

 

【胃は、通降を主る。降をもって和とする】

 

口から入った飲食物は、胃で『受納と腐熟』を受けて、身体に不要な濁の部分は、小腸から大腸へと降ろされていきます。

 

このように、飲食物のカスを身体の下方へ降ろしていく働きが、胃にはあります。

 

その為、『胃は、通降を主る』と言われています。

 

この働きが、正常に機能しないと、

 

・胃が空っぽにならない為に、新たな飲食物を受納する事が出来ない為、食欲に影響が出る。

 

・濁った気が降りていかないので、口臭やゲップが出たり、上腹部に張った痛みが出現する。

 

・飲食物のカスが降りない為に、便秘になったり、逆に嘔吐をする。

 

上記のような症状が現れる事があります。

 

胃の『下へ降ろす作用』が正常に機能しないと、『受納と腐熟』の働きも正常に働けなくなります。

その為、『胃は、降をもって和とする』と言われています。

 

 

 

【湿を喜(この)み、燥を悪(にく)む】

 

『水穀の海』である胃は、飲食物の受納と腐熟が順調に行われるのが良い状態です。

 

『腐熟』というのを想像してみましょう。

 

まず、胃を鍋と想像しましょう。

 

その鍋に飲食物を入れ、火にかけます。

 

すると、時間が経つとドロドロの状態になります。

 

このドロドロの状態が腐熟です。

 

ドロドロの状態から、身体に必要な『水穀の精微』を取り出します。

 

もし、お鍋に潤いがなく、カラカラならば、お鍋の中の飲食物はドロドロになりません。

 

腐熟が出来なければ、飲食物から水穀の精微を取り出す事が出来ません。

 

その為、

 

胃は、湿を喜み、燥を悪む。』と言われています。

 

 

 

以上が、胃のお話でした。

 

今回で、胃のお話は終わります。

 

次回から、『脾』についてお話を致します。

 

 

参考文献

鍼灸学[基礎篇] 東洋学術出版社

基礎中医学 燎原

文:荒木かおり

 

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