今回から、東洋医学からみた『胃』のお話をします。
胃の位置
藤本蓮風先生監修の『臓腑経絡学』によると、
臓はそれぞれ背骨に付いており、腑については述べられていないが、臨床的には同じように胃の腑は接脊・十二椎下に附着する。
と、記載があります。
上記の接脊(十二椎下)というのは、経穴の名前です。
場所は背骨にあります。
臨床的には、その接脊穴に胃がくっついていると藤本蓮風先生は仰っています。
私の少ない経験でも、胃の反応が接脊穴に出るのを確認しています。
また
接脊穴の左右には、胃兪という名前の経穴があります。
ここにも、よく胃の反応が出ます。
胃の反応というのは、西洋医学でいう『胃』そのもの反応が現れる事もあれば、東洋医学としての『胃』の反応が現れる事があります。
胃の形態
和漢三才図会より
胃の上口(入口)は噴門という名前で、上脘に当たる(相当する)。
胃の正中(まん中)は、中脘に当たる(相当する)。
胃の下口(出口)は幽門という名前で、小腸の上口(入口)に続きます。
幽門は、下脘に当たる(相当する)。
と、書かれています。
上記の『上脘』『中脘』『下脘』というのは、経穴の名前です。
これらの経穴は、腹部にあります。
素体や症状により、中脘に反応が出る人もいれば、下脘に反応が現れたりします。
同じ胃の反応としても、どの経穴にどの様な反応が出るかによって、病態や病因の参考になり、また治りやすさの参考にもします。
それは、他の経穴でも言えます。
そして、胃の形は徳利の形をしています。
徳利の形は、胃の重要な機能として『食べ物を受け取る』というのに適しているからです。
話が長くなってきたので、いったん今回は終わります。
次回は『胃の機能』についてお話をします。
文:荒木かおり