【主訴】肩こり
【患者さん】 豊中市在住 50代 女性 会社員
【初診日】2014年8月16日
【現病歴】
現在の会社に転職後、肩こりが発症。
肩こりの部位は、左右の首から両肩と両肩引き。
自覚症状としては、左肩の方が、肩こりをキツく感じる。
肩こりの種類は、重だるさと突っ張り感。
仕事内容は、転職前と転職後で変更なし。
ファションデザイナーがイメージしたデザイン画を元に、型紙を引く仕事をしている(パタンナー)。
マッサージや他院の鍼治療では、肩こりが直ぐ戻ってしまう(数時間後に戻ることもあり)ので当院を受診。
【他の症状】
・夜間尿(3~4時に1回トイレで起きる)
・不眠症(一度目が覚めると、眠れない)
・胃の不快感(ピロリ菌の除去をした)
・足のスネの外側が、ツル(こむら返り)。
・身体の火照り感(本人談、更年期症状とのこと)
・花粉症(春に、目が痒くなる)
・便秘
・過食する時あり
【体表観察情報】
気色:心。肝。
舌:淡紅色。歯痕舌。舌戦(舌の震え)。薄白苔。
脈:1息4至。弦脈。2指で押切れず。
背候診:左肺兪虚。右厥陰兪実。右膏肓実。右心兪実。右神堂実。右肝兪実。右胃倉実。右肓門実。右腎兪虚。右胞肓冷え。督脈の圧痛が無し。
他に特徴のある体表所見:
下腹部の冷え。右の後谿穴が冷えて実。左天井穴の冷え。右上廉穴が実熱。左太白穴の虚。右太衝穴の虚中の実。
【治療方針】
問診情報と体表所見より、緊張に関わる臓腑(肝と心)が肩こりに大きく関わると考察した。
そのため、緊張をとるツボを中心に施術をする。
証:肝鬱気滞
治則治法:疏肝理気
選穴:右後谿
【治療経過】
1~5診目:後谿穴を使用。風邪を引いた時は、外関を使用。
- 肩引きが軽くなる。
- 睡眠中に覚醒する時があるも、直ぐ寝れる。
- 胃の不快感が半分になる。
- 身体の火照り、マシになる。
- 過食落ち着く。
6~11診目:公孫穴。天枢穴。を適宜使用。
- 肩こり、ほぼ感じない。
- 胃の不快感が消失。
- 夜間尿消失。
- 足のスネの外側のツリ(こむら返り)が消失。
- 身体の火照り、消失。
12~18診目:後谿穴。天枢穴。を適宜使用。
- 肩こり、感じない。
- 目が見えやすくなる。
- 毎年正月に高熱が出る風邪をひくが、今年は微熱で例年よりマシだった。
- 便秘、ほぼ消失。
19~24診目:後谿穴のみ。
- 例年より、花粉症の症状がマシ。
- 健康診断にて、視力が良くなっていた。
- 今回は、血圧以外は問題無かった。
【結果と考察】
最初は肩こりがキッカケで来院されましたが、肩こり以外の症状も緩解されました。
今回の健康診断の結果、血圧以外は問題がなかったそうです。
その血圧も、白衣性高血圧という『お医者さん』の前で緊張した為に起きた高血圧でした。
白衣性高血圧からも、真面目で緊張し易い患者さんだと、考察が出来ます。
今回、緊張をとる治療をした結果、他のお困りの症状も緩解しました。
患者さんの健康に対する不安の払拭に、貢献出来た事を嬉しく思います。