肩こり、腰痛だけじゃない鍼灸治療ー2(東洋医学と西洋医学の違い1)

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こんにちは、風待堂鍼灸院の荒木かおりです。

今日は、東洋医学を知らない人に東洋医学の素晴らしさ、面白さを知って頂きたく『東洋医学』について、ざっくりとお話をします。

その為、博識な方から見られたら、至らないところが多々ありますがご容赦下さい。

ここでいう『東洋医学』とは、西洋医学に対しての医学。

つまり、中国から伝来し日本で発展した伝統医学のことです。

順次、以下の様にお話をします。

1)日本における東洋医学の歴史

2)東洋医学と西洋医学の違い【人体や病に対する考え方の違い】

3)東洋医学と西洋医学の違い【診断方法の違い。ならびに、治療方法の違い。】

 

前回は、ざっくりと『日本における東洋医学の歴史』をお話しました。

今回は、『東洋医学と西洋医学の違い【人体や病に対する考え方の違い】』をお話します。

2)東洋医学と西洋医学の違い【人体や病に対する考え方の違い】

東洋医学と西洋医学の考え方が大きく異なる点は、

西洋医学は、形にこだわり、目に見えるモノを重視します。

対して、東洋医学は、機能や働きにこだわり、目に見えないモノも重視します。

この点が両医学の非常に異なる点だと、私は思います。

その結果、下記の3点について、違いが生じると思います。

a)人体や病に対する考え方の違い

b)診断方法の違い

c)治療方法の違い

a)人体や病に対する考え方の違い

では、人体や病に対する考え方の違いについて書きます。

西洋医学

イ)人体は、部品の集まりであり、その部品を治せば病気も治る。

ロ)自然界の影響より、ウイルス等の原因を考える。

ハ)身体の問題と心の問題を切り離して考える。

ニ)データを平均化して、平均的な治療法を確立(大量の患者さんを治療する為)する。

ホ)誰が治療しても、結果は同じになる様な治療法が求められる。

 

東洋医学

イ)人体は、総合的であり、身体のバランスが崩れて病気になる。

ロ)人体は、小宇宙であり、自然界の影響が人体に影響していると考える。

ハ)身体の症状が心に現れる事もあるし、逆に心の問題が身体の症状に現れる事もあると考える。

ニ)一人一人の体質(個体差)を重視する。

ホ)伝統的な東洋医学の習得には、学と術も両方必要と考える。(習得には、コストがかかる)

以上がざっとした違いかと、思います。

イ)について、

西洋医学の場合

【人体は、部品の集まりであり、その部品を治せば病気も治る。】

この考え方だと、怪我をした際に切ったりくっつけたりといった治療方法を編み出しやすいと思います。

人体を部品とかんがえる究極の治療方法が、臓器移植という治療方法を編み出したと思われます。

 

東洋医学の場合

【人体は、総合的であり、身体のバランスが崩れて病気になる。】

この場合、身体を切ったりくっつけたりしなくても、治せる場合があります。

そして、バランスの崩れが原因であれば、バランスを整えれば体調を回復させる事が、出来ます。

つまり、明確な病因が不明(画像や検査数値に現れない)な病気や症状の時でも治療が出来ます。

 

ロ)について、

西洋医学の場合

【自然界の影響より、ウイルス等の原因を考える。】

天然痘などの、強力な感染症の予防に発揮します。

ウイルスを根絶したり、隔離します。そうやって、感染を防ぎ、病気を予防します。

 

東洋医学の場合

【人体は、小宇宙であり、自然界の影響が人体に影響していると考える。】

自然と身体の関係性を重視します。

例えば、湿度と体内の水の巡りが連動していると考えます。

湿度が高い時に身体が重だるいのは、体内の水の巡りが悪くなっているからと認識をする場合があります。(勿論、他の原因の時もあります。)

西洋医学では、季節で治療方法は変えないですが、鍼灸治療だと季節に合わせて使用するツボを変える事があります。

 

ハ)について、

西洋医学の場合

【身体の問題と心の問題を切り離して考える。】

基本的な考え方として、腰痛の場合、筋肉や神経、もしくは、骨に問題があり、痛みが発生していると考えます。

つまり、物理的な問題が原因だと考えます。

ただし、最近は、心の問題と身体の問題の関係性を意識されているお医者さんもいらっしゃいます。

 

東洋医学の場合

【身体の症状が心に現れる事もあるし、逆に心の問題が身体の症状に現れる事もあると考える。】

心の問題が身体に現れる事があると認識します(勿論、それが全てでは無いですが)

腰痛になった患者さんに問診をすると、大きな精神的ストレスが生じた後に、腰痛が発生している事があります。

そして、身体のツボを確認した際に、精神的ストレスに関係するツボに反応がみられたりします。

もう一点。

心の問題が身体に反映するのであれば、逆に、身体を整えると心の問題も解決出来ると考えます。

その為、鍼灸治療によって、精神的疾患(欝病、躁鬱病、パニック障害等)の治療が出来ると考えます。

 

ニ)について、

西洋医学の場合

【データを平均化して、平均的な治療法を確立(大量の患者さんを治療する為)する。】

マニュアル化されている為、限られた時間で、患者さんを治療するのに非常に適しています。

その為、多くの患者さん助ける事が出来ます。

ただし、平均値からあぶれた人への治療が、たいへん難しいと思われます。

 

東洋医学の場合

【一人一人の体質(個体差)を重視する。】

一人一人、丁寧に診る為に時間がかかります。

その為、多くの患者さんを診るのには西洋医学ほど得意では無いです。

ただし例外ですが、浅田宗伯先生は、毎日200人の患者さんを診ていた時期があったそうです。(^_^;)

浅田宗伯先生は特別ですが、基本的には多くの患者さんを診るのには向いていないです。

一人一人の個体差を重視すると、平均値からあぶれた人も治療出来ます。

また、その人によって、適量な治療を施す事が出来ます。

鍼灸治療の場合は、使用するツボや手技、置鍼時間で調節をします。

 

ホ)について、

西洋医学の場合

【誰が治療しても、結果は同じになる様な治療法が求められる。】

これも、お医者さんを大量生産するのに向いていると思います。

お医者さんを大量生産出来ると、多くの患者さんを救うことが出来ます。

 

東洋医学の場合

【伝統的な東洋医学の習得には、学と術も両方必要と考える。(習得には、コストがかかる)】

本当に東洋医学は、マニュアル化が難しい面があります。

特に、鍼灸は手技が入るので難しいと思います。

その為、私も、学生時代から多くの時間と費用をかけてきました。

病気や、肩こり腰痛、膝痛等の人と御縁があれば施術をさせて頂きました。

勿論、自分の身体に鍼を打って練習をし、鍼の効果を確認し、体調も整えます。

そして毎週、師匠である藤本蓮風先生の治療所で、治療の研修や座学を学びます。

本当に東洋医学が好きでないと、習得は困難だと思います。

 

以上が東洋医学と西洋医学の『人体や病に対する考え方の違い』かと思います。

長い文章でしたが、読んでいただきありがとうございました。

次回は、もう少し分かりやすくお伝え出来るように頑張ります。

東洋医学と西洋医学の違い【診断方法の違い。ならびに、治療方法の違い。】に続きます。

 

文:荒木かおり

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