心について。その5(合は脈であり、華は顔にある)

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東洋医学からみた『心(しん)』のお話の続きです。

 

【合は脈であり、華は顔にある】

 

脈とは、血脈のことです。

 

『合は脈である』とは、全身の血脈が心に属していることを表しています。

 

『華』は、『色』や『ツヤ』の意味であり、『華は顔にある』というのは、顔の色・ツヤから心の生理機能の状態が分かるということを表しています。

 

十二経脈、三百六十五絡、其血気皆上于面而走空竅。

 

意訳:十二の経脈、三百六十五の絡脈の血気は皆顔面に上り、七竅に流れます。

注:七竅とは、人の顔にある七つの穴。口・両眼・両耳・両鼻孔。の事。

 

霊枢 邪気蔵府病形篇より

 

上記の黄帝内経ー霊枢という古典の記述通り、頭顔面部には血脈が集まっています。

 

心の生理機能が正常だと、血脈も充実し、血脈が集まる顔面の血色も良くなります。

 

逆に、心の生理機能に異常が生じると、血脈も異常をきたし、血脈が集まる顔面の血色も異常が生じます。

 

例えば、

血虚の場合は、顔色は青白くツヤも無くなります。

血瘀の場合は、顔色は青紫や黒っぽくなり、ツヤも無くなりガサガサします。

 

上記のように、顔色から心の生理機能の状態を確認することが出来ます。

 

参考文献
東洋学術出版社 黄帝内経霊枢
東洋学術出版社 針灸学[基礎編]
燎原 基礎中医学

 

文:荒木かおり

 

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