こんにちは。風待堂鍼灸院の荒木かおりです。
11月15日と12月6日は、勉強会に参加してきました。
今回のブログでは、12月6日に開催された北辰会スタンダードコースのお話をいたします。
当日は、朝から夕方まで『北辰会カルテ』の記載方法について学びました。
午前中は、足立尚哉先生による『問診』の記載方法。
午後からは、山本克仁先生による『体表観察』の記載方法と、
藤本新風副代表による『病因病理チャート作図~弁証』について講義をして頂きました。
上記の勉強の内容は、ただカルテへの記載方法を学ぶのではなく、患者さんにより良い治療をするための弁証論治に繋がる内容です。
弁証論治
私が、所属している『北辰会』という学術団体は、患者さんの治療を行うのに、弁証論治を用いて治療を行います。
この弁証論治というのは、東洋医学独特の考え方です。
弁証論治(べんしょうろんち)
中医学の独特の用語で,「弁証施治」ともいう。「弁証」とは,病人の複雑な症状を中医学の診断方法を運用して分析・総合し,どのような種類の「証」かを判断すること。「論治」とは,弁証の基礎の上に治療措置を定めることである。 (ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より)
例えば、腹痛の患者さんの場合。
腹痛の原因も色々あります。
- 食べ過ぎてなったのか?
- お腹が冷えたのか?
- 精神的ストレスでお腹が痛くなったのか?
- 風邪が原因なのか?
- 肉体的疲労が溜まっていたのか?
- また、上記の内容が重複して腹痛が発症したのか?
これらの原因を分析する為に、四診(ししん)というのを行います。
・望診(ぼうしん):患者さんの顔色や舌、姿形や動きなどを診ます。
・聞診(ぶんしん):患者さんの声や患部の音、臭いを診ます。
・問診(もんしん):患者さんに直接症状を確認したり、普段の生活状況を確認します。また患者さんに直接問診が出来ない状況の場合は、患者さんの周囲の人に確認をいたします。
・切診(せっしん):患者さんの脈を診たり、ツボに直接手を触れて診ます。
四診を用いて、患者さんのカラダ(肉体的・精神的)の状態を把握して腹痛の原因を探ります。
そのうえで、患者さんの現在の証を決定します。
その証に基づいて、治療を行います。
弁証論治による治療には、下記の様な特徴があります。
・腹痛の患者さんと、風邪の患者さんが同じ原因だった場合、同じ治療(経穴や漢方薬)を行う場合があります。これを異病同治(いびょうどうち)といいます。
・同じ腹痛の患者さんでも原因が異なる場合は、治療方法が異なる場合があります。これを同病異治(どうびょういち)といいます。
これら、同病異治や異病同治を考えると同じ薬を服用しても、効果がある人と効果がない人が居てるのが納得しやすいかと思います。
また、この弁証論治というのが、東洋医学と民間療法の大きく異る部分の1つだと私は思います。
その弁証論治で治療を行うのに適した北辰会カルテを正しく用いるための勉強が、朝から夕方まで時間をかけて行われました。
忘年会
勉強会の後は、忘年会に参加してきました。
同席して頂いた先生とタバコの話になった時に、タバコを東洋医学的に説明して頂きました。
タバコを吸うとなぜ、気持ちが落ち着くのか?
食後のタバコが美味しい理由。
喫煙を続けると、咳が出やすくなる理由。
タバコを止めると太る理由。
私は喫煙をしませんが、タバコに対する理解を深くする事が出来ました。
タバコに限らず日常生活も視点を変えれば、色々な世界が広がりますね。
文:荒木かおり