心は陽臓である
陰陽において、低い位置は陰。高い位置は陽になります。
心は、肺とともにもっとも高い位置にあるので、陽臓になります。
また、心は火気が主令の夏季と相応しているので、陽気の高い臓と言われています。
この『心の火』の事を『君火(くんか)』ともいいます。
陰陽について
グレーテル先生、こんにちは。
トラヴァイさん、こんにちは。
グレーテル先生に質問です。
心は陽臓です。と言われてもピンとこないです。
曖昧な質問ですが、お願いします。
トラヴァイさん、『心は陽臓である』の意味を一緒に考えましょう。
陽臓の陽は、陰陽の陽です。
先ず、陰陽とは何かをお話致します。
基礎中医学という本から、陰陽についての説明を下記に引用します。
陰と陽は一対をなす名詞で、対立しながら統一された両面を表しており、すべての事物を陰と陽の両面に分けることができる。
陰陽は、古代人がさまざまな自然現象を詳細に観察するなかから生まれた概念であり、すべての事物には天と地・昼と夜・晴と曇・熱と寒・火と水・動と静などのように対立する両面があり、しかもその両面は一方がなければ他方は存在し得ない統一されたものであると考える。
基礎中医学~燎原~より引用
陰陽とは、ある1つのものや現象を、陰と陽という2つの対立した性質に分ける事です。
例をいくつか挙げましょう。
陽 | 陰 | |
性質 | 遠心性 | 求心性 |
天体 | 日 | 月 |
世界 | 天 | 地 |
火水 | 火 | 水 |
季節 | 夏 | 冬 |
温度 | 熱 | 寒 |
方角 | 南 | 北 |
動静(運動) | 動 | 静 |
昇降(運動) | 昇 | 降 |
上下(空間) | 上 | 下 |
内外(空間) | 外 | 内 |
死生 | 生 | 死 |
陰に対して陽というのは、温かく・外に向かい・動きがあり・上にあるモノといえます。
心が、陽に当てはまるか考えてみましょう。
心は五臓のうち、肺とともにもっとも高い位置にあるから、他の臓に比べて高さは陽になります。
心は、休む事なく常に動き続けているので、動きについても陽だと思います。
トラヴァイさん、そうです。
高さや、動きに関して心は他の臓より陽ですね。
心の特徴から、陰陽についても考えてみましょう。
心には、ポンプ作用があります。
まだ動いてる心臓を体外に出すと、血が心臓から吐出されます。
心のポンプ作用も、外に向かう動きなので、陽になります。
また、心が止まると死にます。
死ぬと身体から温もりが消えて冷たくなります。
心臓が動いているというのは、生の象徴であり、かつ温もりに関係すると考える事が出来ます。
生きる事と温もりは、死と冷えに対して陽になります。
心は、
高い位置にあり。
常に動き続け。
血を心から身体の末端に向かって送り続け。
生きる事の象徴であり。
温もりにも関係する。
以上から、心は陽臓である。と考える事が出来ます。
グレーテル先生、ありがとうございます。
心は、陽臓である。と納得出来ました。
トラヴァイさん、ありがとうございました。