う~ん。。。。。。
トラヴァイさんが、何か考え事をしています。
トラヴァイさん、こんにちは。
何を悩んでいるのですか?
グレーテル先生、こんにちは。
私は、この3年間健康のために毎日卵を食べていたのです。
ところが、ウォール・ストリート・ジャーナルという新聞に、卵が健康に悪いという記事が載っていたのです。
卵を食べていて、体調も良かったのですが、身体に悪いのならば卵を辞めた方がいいのかな?と悩んでいたのです。
グレーテル先生、私は卵を食べるのを辞めた方がいいのか?それとも食べた方がいいのか?教えてください。
トラヴァイさん、分かりました。
それでは、トラヴァイさんにとって、卵が身体にいいのか?悪いのか?一緒に考えましょう。
ところで、
どうしてトラヴァイさんは、3年前から卵を食べるようになったのですか?
グレーテル先生、一緒に考えてくれてありがとう御座います。
私が、3年前から毎日卵を食べるようになったのは、健康診断がキッカケでした。
健康診断の結果、コレステロールと蛋白質が低すぎるので、食生活を改善して下さいと言われました。
その時に、エンマ・モラーノ(Emma Morano)さんというイタリアの長寿な女性が、長寿の秘訣は何ですか?というインタビューに答えて『長寿の秘訣は、卵と独身でいる事』と答えていたので、卵を食べようと思いました。
毎日卵を食べるようになってからは、疲れやすかったのがマシになり、毛艶も良くなりました。
そして翌年の健康診断から、コレステロールと蛋白質の数値も健康な状態ですよ。と言われるようになりました。
それで、3年前から卵を毎日食べるようになったのですね。
今のお話だと、トラヴァイさんの健康に卵が役立っているようですね。
それでは、
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事にはどのような事が書かれていて、トラヴァイさんは身体に悪いと思ったのですか?
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事(https://www.wsj.com/articles/study-links-eggs-to-higher-cholesterol-and-risk-of-heart-disease-11552662001)には、卵はコレステロールが高く、心臓病の危険性が高くなると書かれていました。
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事は、最近発表された米国医師会の雑誌(JAMA)に掲載された調査を元に書かれています。
その調査は、米国の6つの調査集団(合わせて2万9615人)から集めたデータをまとめたものです。追跡期間は1985年3月25日から2016年8月31日までの平均17.5年の歳月をかけたものだそうです。
調査期間も長く、調査対象の人間の数も多いので、【卵は身体に悪い】という情報の方が信用出来るのかな?と思いました。
それは、悩みますね。
以下のように考えてみるのは如何ですか?
卵が身体にいいのか?悪いのか?
と、考えるより。
現在のトラヴァイさんにとって、卵が身体にいいのか?悪いのか?
と、考えてみましょう。
現在の私自身に、卵が身体にいいのか?悪いのか?ですか。。。
はい、そうです。
皆にとって、卵が身体にいいのか?悪いのか?ではなく、今のトラヴァイさんの身体に卵はいいのか?悪いのか?と、考えた方がいいのではないでしょうか?
トラヴァイさんが毎日卵を食べるキッカケになった、エンマ・モラーノ(Emma Morano)さんというイタリアの長寿な女性が言った『長寿の秘訣は、卵と独身でいる事』というのも事実だと思うし。
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事に書かれた『卵はコレステロールが高く、心臓病の危険性が高くなる』というのも、本当の事だと思います。
この2つの事は、互いに反対の事を言っていると思うのですが、両方とも正しい事を言っているのですか?
そうです。2つとも正しい事を言っていると思います。
エンマ・モラーノさんは、歯が無かった為、基本的には質素な食事だったそうです。彼女にとって、毎日3個の卵というのはちょうどいい栄養だったのではないでしょうか?
ついでに言えば、彼女は結婚していた時期がありましたが、夫から暴力を受けていました。そのため、彼女にとって独身も長寿の秘訣だったようです。
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事も本当の事だと思います。
卵は身体が必要とする栄養を多く含みます。その栄養の中には、コレステロールも含まれています。コレステロールも身体には必要な栄養なのです。
ただし、アメリカの食事には、元々コレステロールが多く含まれています。そのため必要以上のコレステロールを摂取しやすいと思います。
コレステロールの過剰摂取は心臓疾患の一因になります。
コレステロールだけが心臓疾患の原因ではありませんが、アメリカ人の死因の1位が心臓疾患である為、コレステロールの摂取量に対してアメリカ人はシビアだと思います。
そのため、ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された『卵は心臓病の一因になります』という記事も本当の事かも知れません。
イタリアの長寿な女性には卵が長生きに役立ったし、アメリカで行われた研究の対象者達にとって卵は栄養よりも心臓病の原因になったという可能性があったという事でしょうか?
はい、私はそう思いました。
だから、卵が健康にいいのか?悪いのか?と考えるより、今のトラヴァイさんは卵を食べた方がいいのか?悪いのか?と考えた方がいいと思います。
グレーテル先生、ありがとうございます。
今の私は、よく運動をするし、痩せています。食事も基本的には質素です。
だから、卵も今まで通り食べてみます。
ただし、
これから運動をしなくなったり、食事も多く食べるようになるかも知れません。
卵を食べることが私自身の健康に良くないと思ったら、卵を食べる量を減らそうと思います。
トラヴァイさん、そうですね。そうしましょう。
個人差を意識すること
・因時制宜(いんじせいぎ)
・因地制宜(いんちせいぎ)
・因人制宜(いんじんせいぎ)
以上の3つをあわせて、三因制宜(さんいんせいぎ)といいます。
その中の因人制宜(いんじんせいぎ)というのは、
個人差を考慮して治療を行うことです。
年齢・性別・体質・生活習慣・病歴などの違いは、疾患にも大きな個人差を生み出します。
今回の卵のお話は、この因人制宜のお話といえるかも知れません。