心について。その3(血脈を主る)

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心火のイメージ

 

 

東洋医学からみた『心(しん)』のお話の続きです。

 

前回のお話【心について。その2(心の形態2)】に、心には以下の2つの役割があるとお話をしました。

 

 

1)全身に気血を巡らすポンプ作用。

 

2)精神、意識、思惟活動を主宰する働き(精神活動の中枢)。

 

今日は、こちらの1番に関係するお話をしていきます。

 

【血脈を主る】

 

『血脈を主る。』という言葉には、『血を主る』と『脈を主る』という2つの意味が含まれています。

 

それぞれ説明いたします。

 

【血を主る】

 

心は、大きく血に関わります。

 

1つは、血の生成。

 

もう1つは、血の運行です。

 

・血の生成について。

 

口から入った飲食物は、脾と胃の働きにより水穀の精微というエネルギーのようなものになります。

 

そして、水穀の精微は肺に運ばれて、清気(綺麗な空気をイメージして下さい)と混ざり、心に運ばれます。

 

そして、心火の温煦を受けて、赤く変化し血になります。これが血の生成の1つの方法です。

 

 

・血の運行について。

 

血は、心気の推動によって全身を絶え間なく循環しています。

 

もし心気が血を推動しなければ、全身に血は行き渡らなくなります。

 

 

【脈を主る】

 

全身の血の運行に大きく関わるのが心です。

 

血というのは、脈管の中を通り全身に運ばれます。

 

逆にいえば、脈管がなければ血は上手く目的地(全身)に運ばれません。

 

そのため、脈を主ると言われています。

 

ちなみに、脈を離れて正常に機能しなくなった血のことを『瘀血(おけつ)』と言います。

 

関連記事:

瘀血

 

今回のお話をまとめると、

 

・血の生成には心火の温煦が関わる。

 

・血は、心気の推動を受け全身に運ばれる。

 

・脈管のおかげで、血は目的地(全身)に運ばれる。

 

以上により、心は血脈を主ると言われています。

 

 

参考文献

臓腑経絡学 改訂第三版 アルテシミア

鍼灸学[基礎篇] 東洋学術出版社

基礎中医学 燎原

文:荒木かおり

 

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