みなさん、こんにちは。風待堂鍼灸院の荒木かおりです。
前回に引き続き、東洋医学での臓腑のお話をしていきます。
前回までのお話
前回までのお話は
今回のお話
ここから、今回のお話です。
以前お話しをした『東洋医学と西洋医学の違い』にも、関連のあるお話があります。
関連
肩こり、腰痛だけじゃない鍼灸治療ー2(東洋医学と西洋医学の違い1)
肩こり、腰痛だけじゃない鍼灸治療ー3(東洋医学と西洋医学の違い2)
それでは、東洋医学と西洋医学の臓腑の違いについて、お話をしていきます。
東洋医学の臓腑の特徴について、以下の点があります。
東洋医学の臓腑の特徴
形だけでなく、機能も包括している臓腑
1)臓腑は単に解剖学的な臓腑ではなく、生理的な機能的単位になっている。
『心』は現代医学の心臓だけではなく、循環系や一部の神経系の機能も包括しています。
現代医学では、心(こころ)の働きを全て脳の働きと捉えますね。東洋医学では、各々の臓腑が様々な心の働きもしていると考えます。
複雑な機能を具体的な比喩で表現されている臓腑
2)『取類比象(しゅるいひしょう)』といい、抽象的概念や複雑な事物を日常的で分かりやすい具体的な形象に例えて、理解しやすいようにしている。
例えば、『心』は人体を主宰(しゅさい。まとめているという意味です)する機能があります。心が人体を主宰する機能を『君主の官』に例えています。
小宇宙としての臓腑
3)気候などの外界環境と臓腑は関連していると考える。
肝と春。心と夏。脾と長夏(ちょうか。日本の気候では梅雨に該当します)。肺と秋。腎と冬。などです。
その為、東洋医学では、季節によって治療方法を変えます。
単体ではなく、総体としての臓腑
4)各臓腑間での平衡と協調
互いの臓腑間で、お互いに協力したり抑制したりしています。
例えば、胃が痛い場合。胃自体の問題もあれば、他の臓腑が原因で痛くなる場合もあります。
その場合、胃を治療するよりも、原因である他の臓腑を治療すれば根本的な解決が出来ますね。
以上が、西洋医学と東洋医学での臓腑の認識の違いと思います。
次回から、各々の臓腑について、お話をしていきます。
文:荒木かおり