肩こり、腰痛だけじゃない鍼灸治療ー3(東洋医学と西洋医学の違い2)

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こんにちは、風待堂鍼灸院の荒木かおりです。

今日は、東洋医学を知らない人に東洋医学の素晴らしさ、面白さを知って頂きたく『東洋医学』について、ざっくりとお話をします。

その為、博識な方から見られたら、至らないところが多々ありますがご容赦下さい。

ここでいう『東洋医学』とは、西洋医学に対しての医学。

つまり、中国から伝来し日本で発展した伝統医学のことです。

順次、以下の様にお話をします。

1)日本における東洋医学の歴史

2)東洋医学と西洋医学の違い【人体や病に対する考え方の違い】

3)東洋医学と西洋医学の違い【診断方法の違い。ならびに、治療方法の違い。】

 

前回は、『東洋医学と西洋医学の違い【人体や病に対する考え方の違い】』について、お話をしました。

今回は、『東洋医学と西洋医学の違い【診断方法の違い。ならびに、治療方法の違い。】』について、お話をします。

b)診断方法の違い

西洋医学の場合は、検査のデータ(画像を含む)を重視をします。

それは、医学知識があれば、誰が診ても分かるように工夫をした結果とも言えます。

その為、情報の共有もし易いと思います。(医療従事者間や、患者さんとの情報共有)

その代わり、検査の結果に現れない症状については、診断が出来ないという弱点があります。

例えば、不定愁訴などがあげられると思います。

患者さんは、何か体調が悪いのに検査の結果に異常がみられない。

その為、正確な治療が出来ないという事があると思います。

 

対して東洋医学の場合は、

望聞問切(ぼうぶんもんせつ)という、独特の診断方法があります。

・望(ぼう)=視覚によって、患者さんの病状を判断します。

例えば、顔色・舌の状態・目の動き・皮膚の色ツヤ・爪の状態・姿勢や形態などです。

・聞(ぶん)=鼻や耳によって、患者さんを診断する。

例えば、声の状態・患者さんに大小便の匂いを聞く事もあります。

・問(もん)=患者さんや、その家族らから患者さんについて、診断に必要な事を聞き出す。

例えば、飲食の状況・大小便の状況・汗の状態・痛みの状態・睡眠の状態・月経の状態などです。

・切(せつ)=患者さんに直接触れてみて、病状を判断します。

例えば、脈を診る・お腹を診る・背中を診る・手足を診るなどです。

 

東洋医学では、上記の情報を総合的に判断をして、弁証(べんしょう)というのを行い体内の状態を判断します。

弁証には、八綱弁証(はっこうべんしょう)、気血津液弁証(きけつしんえきべんしょう)、臓腑経絡経筋弁証(ぞうふけいらくけいきんべんしょう)、六経弁証(ろっけいべんしょう)、衛気営血弁証(えきえいけつべんしょう)、三焦弁証(さんしょうべんしょう)などがあります。

 

これらの弁証を全て用いるのではなく、患者さんの状態に合わせて適宜使用します。

弁証を基にして、次の治療につなげます。

 

c)治療方法の違い

西洋医学の場合は、

病名をつけて治療をします。

急性腰痛症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、胃潰瘍、PMS(月経前症候群)などの病名をつけます。

そして、病名に適応した薬を処方したり、手術をしたりします。(リハビリや物理療法等も含めます)

 

東洋医学の場合は、

弁証論治(べんしょうろんち)という治療方法を用います。

先ほどの『弁証』という患者さんの身体を東洋医学的に見立てたうえで、治療をします。

例えば、頭痛の患者さんを治療する場合。

弁証の結果、太陽中風証(たいようちゅうふうしょう)だったとします。(今回、かなり省略しています)

そして、その証を基にして、適切なツボに鍼をします。

そのあと、発汗をして患者さんの頭痛が収まります。(頭痛の患者さんが全て発汗して治る。という意味では無いです。)

という流れです。

 

弁証論治で面白いのは、病名に拘らない事です。

腰痛の患者さんとPMSの患者さんが同じツボを使用して治ったり、逆に、肩こりという同じ症状の患者さんに対して、違うツボを使用して治る事があります。

それと、病の根本を治す為に、主訴(しゅそ)とは違う部分も改善される事があります。

腰痛の患者さんの治療をしていたら、同時に肌の色が良くなったり。鬱病の人が、鬱が改善されるにつれて、食欲が改善されたりです。

 

以上が、簡単ですが東洋医学での治療の流れです。

 

現在は西洋医学が中心の為、東洋医学の話をしてもなかなか伝わりにくい部分があるかと思います。

『百聞は一見に如かず』という言葉があります、一度体験をされると分かりやすいかと思います。

 

最後まで読んでいただきまして、ありがとう御座いました。

これから、『気』のお話等、東洋医学のお話を少しづつしていきます。

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