東洋医学からみた、肺のお話の続きです。
前回までのお話
ここから、今回のお話
肺の機能について。
通調水道の作用
通調水道(つうちょうすいどう)について
通とは、疎通の意味です。
調とは、調節の意味です。
水道とは、水液を運行・排泄する通路です。
肺の宣発と粛降は、協力して体内における水液の輸送と排泄の調節を行っています。
宣発粛降について:肺について。その1(肺の位置)
その作用には、主として次の2つがあります。
1)脾が上に輸送してくる水液は、肺の宣発機能により全身に輸送され、その一部は汗となって体外に排泄されます。
2)不必要な水液は肺の粛降機能により膀胱に輸送され、腎と膀胱の気化機能により尿となり体外に排泄されます。
上記のように肺は水液代謝の調節に関与しているので、『肺は水の上源』とも言われています。
肺の宣発機能が上手く機能しなくなると、無汗や浮腫などの症状が現れます。
また粛降機能が上手く機能しなくなると、浮腫や小便がきちんと出なくなるなどの症状が現れます。
これらは、肺の通調水道の作用が上手く機能しなくておこる病理変化です。
参考文献
鍼灸学[基礎篇] 東洋学術出版社
臓腑経絡学 改訂第三版 アルテシミア
文:荒木かおり