肺について。その4(肺の機能2)

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こんにちは。風待堂鍼灸院の荒木かおりです。

東洋医学からみた、肺のお話の続きです。

前回までのお話

肺について。その1(肺の位置について)

肺について。その2(肺の形態)

肺について。その3(肺の機能1)

ここから、今回のお話

肺の機能について。

肺は、皮毛を主る。

皮毛とは、皮膚・汗腺・うぶ毛などを包括した一身の垣根の事です。

身体の内に、外邪が入らない様に守る役割があります。

その防御に役立つのが衛気です。

衛気については、『気』について。その3を参照。

肺が宣発粛降によって、全身に衛気と津液を行き渡らせて、身体を外邪から守るのです。

宣発粛降については、肺について。その1(肺の位置)を参照。

逆にいえば、宣発粛降が上手く機能しない場合。

皮毛が乾燥してツヤがなくなり、外邪を防御する機能も低下して風邪をひきやすくなります。

また、衛気は毛穴の開け閉めや、汗の調節を行います。

衛気が虚して、肌表不固(『きひょうふこ』と言います。毛穴が開いたままの状態です。)になると、自汗(『じかん』といい、汗がダラダラ出る状態)になります。

逆に、衛気は毛穴を開ける作用もあるので、衛気が上手く廻らずに完全に毛穴が閉じてしまうと、無汗になってしまいます。

皮膚は、適度なツヤと潤いがあるのが正常なのです。

 

ところで、最近は見かけなくなりましたが、風邪の予防に『乾布摩擦』をする事は、皮毛と肺の関係から考えると、理にかなっていると言えます。

藤本蓮風先生監修の『臓腑経絡学』には、アトピー性皮膚炎と、肺の臓の関連性を述べています。

今回は、ここまでにします。

次回に続きます。

参考文献

基礎中医学 燎原

臓腑経絡学 改訂第三版 アルテシミア

 

文:荒木かおり

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