東洋医学で夏のダルさ・イライラ対策-2

西瓜 ブログ

みなさん、こんにちは。

前回のお話では、

前回、【夏のダルさとイライラの東洋医学的分析】において、暑邪がダルさやイライラの一因であるとお話をしました。

今回は、その対策を1つご提案します。

中薬学で、暑邪を除き暑病を改善する薬物を、祛暑薬(きょしょやく)と言います。

その中で、手に入れやすく、値段も手頃。そして、服用しやすいもの。

それは、スイカです。

西瓜

 

西瓜(せいか)

[処方用名] 西瓜・西瓜汁・西瓜じょう

効能:解暑除煩・止渇利小便。

中暑・暑温の煩渇あるいは温熱病の熱盛傷津による焦躁感・尿量減少あるいは二日酔いなどに、単味で用いる。

[用量]適量を服食する。

『中医臨床のための中薬学』より

 

なぜ、西瓜が暑邪に効くのか?

私が思うには、西瓜は利尿作用が強いです。

昔、私が腎臓が悪かった時に、母がよく西瓜を食べさせてくれました。

尿があまり出ない時期もあったのですが、改善されました。

この利尿作用が、暑邪に対してどのように働くかというと。

小便で熱邪(暑邪)を出して、身体を正常な状態にするのだと思います。

そして、暑邪はよく湿邪を伴う事があります。

その為、小便として、体内に居てる湿邪も暑邪と同時に排泄しているのだと思います。

ただし、スイカを用いる際に注意点があります。

西瓜を用いる時の注意点

陰暑(いんしょ)と言いまして、納涼や生冷物を食べ過ぎた場合は、身体に冷えも入っているので、その時はスイカを用いないで下さい。

更に身体が冷えて、体調が悪くなる事があります。

イメージとして、寒い時に排尿すると少し寒くなりますね。

小便と同時に、熱が排出されるからです。

もう一つ。

冷蔵庫で冷やしたのを直ぐに食べるのでは無く、少し常温に置いてから食べて下さい。

昔は井戸や川で冷やしていたのですが、冷蔵庫だと冷やしすぎる為です。

夏場は、冷えたものを食べて体調を崩している方が多く見られます。

 

実は、鍼で、暑邪を抜くことも出来ます。

暑かったので、先ほど自分の身体に鍼をしました。

すると、身体の中のもやっとした熱がす~っと消えました。

エアコンと違って、非常にマイルドです。

実は、エアコンで冷やし過ぎると腠理(そうり。毛穴の事)が閉じてしまい、逆に身体の中に熱が籠もる事があります。

その熱が、身体に悪さをする事があります。

よく見られるのが、アトピー性皮膚炎とかですね。

上手にエアコンを使いたいですね。

 

今回で一旦、暑邪が原因で起こる夏バテの様な症状や、イライラの原因と対策について終わります。

最後にエアコンのお話をしましたが、現在の社会では、夏場に冷えの症状が逆に出たり、複雑な原因が多いです。

今回は、1つの原因をお話しました。

また色々と他の要因等のお話もさせて頂きます。

 

参考書籍

中医臨床のための中薬学 医歯薬出版株式会社

東方栄養新書 メディカルユーコン

 

文:荒木かおり

 

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