東洋医学からみた『脾』の機能の続きです。
【肌肉・四肢を主る】
水穀は、脾胃で運化され、脾が吸収した水穀の精微が全身に輸送され肌肉(きにく。筋肉や軟部組織などのこと)を栄養し、壮健にします。
そのため、『肌肉を主る』といわれています。
また、同様に四肢(しし。手足のこと)も水穀の精微の栄養をうけて運動することが出来ます。
そのため、『四肢を主る』といわれています。
脾の運化が正常であれば、肌肉はしっかりし、四肢もしっかり動きます。
しかし、脾の運化が正常に機能しないと、肌肉は萎縮し、四肢はダルく無力になります。
【肥満と脾虚】
上記のお話を読んで、
脾虚→肌肉の萎縮→痩せれる(ダイエット成功)。と、考えた方が居てるも知れませんね。
実際は、脾虚になると、肥満になることがあります。
みなさんも、肥満というと筋肉よりも皮下脂肪のことを思い浮かべると思います。
東洋医学では、皮下脂肪のことを湿痰(しったん)といって、水の停滞が原因の大きな理由と考えます。
脾の機能である『水湿の運化』というのが正常に機能しないために『水太り』の状態になっている人が多いのです。
【東洋医学的ダイエット】
脾が正常であれば、適度な潤いを保ちながら余分な水分も体外に排出します。(水分排出には他の臓腑も関わるので、脾が100%の原因では無いですが)
手軽に出来る脾を強化出来る方法の1つは、お散歩です。
関連:【養生】散歩について2
実際に、よく散歩をすると便通もよくなり、体内の要らないものが出て行くのを実感します。
みなさんも、今年からお散歩を生活の1部に取り入れては如何でしょうか?
追記
参考文献
鍼灸学[基礎篇] 東洋学術出版社
基礎中医学 燎原
文:木下かおり