こんにちは。かおり鍼灸院の木下かおりです。
東洋医学からみた『脾』の機能の続きです。
【前回までのお話はこちら】
【今回のお話は、ここから】
前回までのお話を読むと、東洋医学での『脾の臓』は、飲食物の消化と吸収に関わる事がよく分かります。
そのため
~口に開竅し、華は唇にある~
と、いわれています。
脾が正常であれば、食欲が旺盛で味覚も正常です。
ただし、旺盛であって過食という意味ではないです。
言葉を変えると、『脾が正常であれば、ご飯を美味しくいただける』ということです。
脾が弱り、運化機能が低下すると、
・水穀の精微をうまく運化出来ないために、食欲がなくなり味を感じにくくなります。
・水湿の運化をうまく出来ないために、身体に湿が発生し、口がねばる・口が甘くなる。などの症状が起きる事があります。
『脾気は口に通じる』ため、口唇の色艶や形態は全身の気血の状況の反映と同時に、脾の機能も反映しています。
そのため、『その華は唇』にありと言われます。
脾気が健運で気血が充実していれば、口唇は適度な紅色と潤いがあり、ツヤもある状態になります。
脾の運化が失調し、気血が不足すると、口唇は淡白でツヤがない状態になります。
また、口唇のびらん(唇の周囲に出来る熱を持った、ただれ等)は、食べ過ぎ等により脾胃に熱が溜まっているのを表しています。
追記
参考文献
鍼灸学[基礎篇] 東洋学術出版社
基礎中医学 燎原
文:木下かおり