火邪(かじゃ) その2

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今回は、火邪のお話の続きをします。

 

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火は生風しやすい

 

気候等による外因由来の熱、臓腑の失調や精神失調が由来の熱、熱というのは原因が異なっても、人体において『風』を生じさせる事がしばしばあります。

 

火によって風が生じるというのは、自然においても見られます。

それが『火災旋風(かさいせんぷう)』といわれる、炎によって発生する竜巻様の災害です。

『火災旋風』のような事が、人体においても生じると考えます。

 

具体的には、

 

精神失調が原因で風が生じる状態というのは、

『怒りの炎』が生じてワナワナと身体が震える事がありますね。

この震えは、熱が原因で生じた風によって震えていると考えます。

 

また、

 

胃の熱が大きくなって風が生じる(臓腑の失調が原因)もあります。

 

味の濃いものや辛いもの等をいっぱい食べると、胃に熱を持つ事があります。

実際に辛いものを食べると、身体が暑くなりますね。

このような状態を、

鍋に食材を詰め込んで、大火にかけた状態と考えます。

鍋から溢れた味の濃いものや辛いものは、よく燃える燃料になります。

鍋から溢れた燃料は、更に鍋の火を大きくします。

鍋がグラグラと大火に焚かれると、鍋の上方では上昇気流が生じます。

これも風です。

 

また、火邪は津液を消耗させるだけでなく陰血も消耗させます。

陰血が消耗されるために、血に滋養されている『筋』が滋養されないと『筋』が震える事があります。

これも、風が生じたと考えます。

 

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火は動血しやすい

火邪は、血流を加速します。

 

『血』をソースにたとえて、血脈等の『血』の通り道を鍋に例えると、

鍋にソースを入れて加熱すると、鍋の中のソースは温められてゴポゴポと沸き立ちます。場合によっては、鍋から溢れ出ます。

ソース(血)が、動いてる状態です。

 

その結果、

吐血

鼻出血

血便

血尿

皮下出血等の発疹

月経過多

等の、出血症状を呈する事があります。

 

火は瘡瘍を発しやすい

 

なおも鍋にかかったソースが加熱され続けると、今度は、ソースが鍋にこびりついてきます。

 

つまり、

血脈等の『血』の通り道が、焦げ付いた『血』によって塞がれた状態です。

 

このような状態になると、正常な『気血』の流れが阻害されます。

 

その結果、『気血』に滋養されなくなった『肌肉』等は腐り(肉腐成膿)、瘡瘍が生じます。

 

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私見ですが、

ある種の不正出血や月経過多。

また、

ある種の無月経や月経過少症は、火邪が原因の場合があります。

 

 

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