前回は、『火邪と暑邪』についてお話を致しました。
今回は、暑邪についての続きです。(火邪についての続きは、次回お話をする予定です。)
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暑邪と湿邪
中国での暑邪の時期は、夏季の後半である雨水が多い時期です。と、お話を致しました。
日本の場合は、地方にもよりますが、6月・7月・9月は割と降雨量が多いようです(9月は台風の影響もあるようですが)。
降雨量から考察すると、地域やその年の気候で変化はありますが、6月下旬・7月・9月は日本の暑邪の季節といえるかも知れません。
熱が湿を燻蒸するために、暑邪が悪さをする時には、熱の症状とともに湿邪の症状を呈する事が多いです。
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暑は多く湿を挟む
暑邪は、湿邪を伴う事が多いです。
そのため『暑は多く湿を挟む』と言われています。
『暑は多く湿を挟む』の状態は、高温多湿のサウナに入って体調が悪くなった状態に似ています。
高温多湿のサウナに入ると、
最初、汗がダラダラ出始めます(津液の消耗)。
汗がダラダラ出始めると、だんだん喋るのが億劫になったり、疲れてきます(汗とともに気が体外に漏れ出て、消耗します)。
また、心臓が動悸します(心の拍動を熱邪が推進するため)。
上記は、高温多湿のサウナの熱(暑)による影響です。
また、サウナは多湿の為、上記の熱邪以外に湿邪が人体に影響を与えると、
身体が重だるくなる(湿邪の重濁性)。
頭が包まれたように重い頭痛(重痛)が生じる(これも湿邪の重濁性による影響です)。
上記のような状態になっても、高温多湿のサウナにとどまり続けると、
胸苦しくなったり、悪心、嘔吐、熱性の下痢等の症状が発生する事があります。
養生
サウナであれば、ちょうど身体にいいところでサウナの外に出ればいいのですが、六淫の外邪のように自然が相手の場合は少し工夫が必要です。
近代的な空調設備が無かった時代では、様々な工夫や養生で暑邪の時期を乗り切ってました。
昔の家や生活を研究したり、東洋医学の古典等を読むと、暑邪への対応のヒントがいっぱい見つかります。