東洋医学からみた、肺のお話の続きです。
前回までのお話
ここから、今回のお話
肺の機能について。
肺は相傅之官。
これは、黄帝内経素問の霊蘭秘典論に書かれている『肺者、相傅之官、治節出焉(肺は相傅の官。ちせつ出づる)』というのが出典です。
相傅之官(そうふのかん)とは、宰相の意味です。
中国漢方医語辞典には、
”相傅”とはいわゆる君主の官=心に対して言われる。
”相傅”には”君主”を補佐する意味があるが、すなわち、臓腑の活動において心肺機能の協調は非常に重要であり、
人体の臓腑器官が一定の法則にしたがって活動するのに不可欠の要素であるということを意味している。
”治節”とは、管理・調節のことで、主に、肺と心の機能が相互に強調し共同して正常な状態を保持すべき生理活動を指す。
と、あります。
私の考えになりますが。
《素問・五臓生成篇》に、『諸血者皆属於心、諸気者皆属於肺。』と、書かれています。
意訳をすると『諸々の血は、みな心に属します。諸々の気は、みな肺に属します。』となります。
ここで、気と血の関係を思い出して欲しいのですが。
血を動かすのに、気の推動作用が大きく関わります。
関連:『気』について。その4
このような『気と血の関係』が『肺と心の関係』に、繋がっている部分もあるかも知れないと思いました。
参考文献
中国漢方医語辞典 中国漢方
黄帝内経素問 東洋学術出版社
臓腑経絡学 改訂第三版 アルテシミア
文:荒木かおり