こんにちは。風待堂鍼灸院の荒木かおりです。
前回までは、気の種類についてお話をしました。
前回までのお話は。
今日のお話です。
今回からは、気の機能についてお話をします。
気の機能は、大きく分けて以下の5つの機能になります。
- 推動(すいどう)
- 温煦(おんく)
- 防御(ぼうぎょ)
- 固摂(こせつ)
- 気化(きか)
順番にお話をします。
1)推動
血液の運行や津液を動かす作用です。
気が不足するか、逆にうっ滞して、推動作用が上手く働かないと、身体に何らかの症状が現れます。
例えば、津液が停滞すると浮腫が現れます。血液が停滞すると、刺すような痛みが現れます。
気自体が停滞すると、張った様な痛みが現れます。
2)温煦
全身や各組織を温める作用です。
気の温煦作用の御蔭で、体温一定に保つ事が出来ます。
温煦作用と推動作用は密接に繋がりがあります。温煦作用が低下すると、推動作用も低下してしまいます。
例えば、氷は固まっていて動きが無いですね。水になると動きが出てくる。そして、湯気になると動きが更に早くなりますね。
温煦作用と推動作用の繋がりは上記の水の例えをイメージしていただければ分かりやすいと思います。
温煦作用の低下により、手足の冷えや体温の低下、血液の流れも悪くなります。
3)防御
肌を保護し、外邪(がいじゃ)の侵入を防ぐ作用です。また、外邪が体内に侵入した場合、気は侵入した病邪と戦って、追いだそうとします。
そして、破壊された部分を修復します。
以前、お話をしました『衛気』がこの役割を大きく担います。
防御作用の低下により、よく風邪を引きやすくなったりします。
今日は、ここまでにします。
次回は、固摂作用と気化作用についてお話をします。
参考文献
東洋学術出版社 針灸学[基礎編]
燎原 基礎中医学
文:荒木かおり