脾について。その8(脾と胃の関係)

風待 ブログ

 

 

 

 

東洋医学からみた『脾』のお話のまとめです。

 

 

 

【前回までのお話はこちら】

 

脾について。その1(位置と形態)

 

脾について。その2(脾の機能1)

 

脾について。その3(脾は昇清を主る。)

 

脾について。その4(脾は生血・統血をする。)

 

脾について。その5(脾は肌肉・四肢を主る)

 

脾について。その6(口に開竅し、華は唇にある)

 

脾について。その7(脾胃の者、倉廩の官)

 

 

 

 

【今回のお話は、ここから】

 

脾は、燥を喜(この)み湿を悪(にく)む

 

脾は、水湿を運ぶ働き(運化機能)があり、水湿は停滞してはならないのですが、

 

飲食の不節制や、生モノや冷たいモノの過食により、脾気が邪魔をされて、水湿が体内に滞ります。

 

この状態を『湿困脾土(しっこんひど)』と言います。

 

あるいは、

脾が弱って、運化が上手く機能出来ないために、体内に水湿が発生します。

 

この状態を『脾虚湿盛(ひきょしっせい)』と言います。

 

『湿困脾土』と『脾虚湿盛』は共に、泥状便や水様便、食欲不振、水腫などの症状が現れますが、原因は異なります。

 

症状は同じだったとしても原因が異なるため、治療が異なることがあります。

 

 

【脾と胃の関係について】

 

脾と胃について、まとめます。

 

脾と胃は、協力しながら飲食物の消化と吸収を担います。

 

口から入った飲食物は、胃が受取り(受納)ます。その後、消化(腐熟)をして、栄養(水穀の精微)を取り出します。

 

脾は、取り出した栄養(水穀の精微)を、全身に行き渡すために、肺へ運びます(昇清)。

 

胃は、飲食物のカスを小腸→大腸へ運びます(降濁)。

 

上記の様に、脾は上向きのベクトル。胃は、下向きのベクトルに働いています。

 

関連:胃について。その4(胃は、通降を主る。降をもって和とする)

 

 

また、

・脾は、燥を喜み湿を悪む

・胃は、湿を喜み燥を悪む

とある様に、脾と胃は対立する特徴(ベクトルが上向きと下向き、湿と燥に対する性質)がありながら、飲食物の消化と吸収という、生命が生きていくのに必要な大事な働き(後天の精を補う)を協力して行っています。

 

 

 

 

追記

『脾について』のまとめ

 

 

 

 

 

 

参考文献

臓腑経絡学 改訂第三版 アルテシミア

鍼灸学[基礎篇] 東洋学術出版社

基礎中医学 燎原

文:木下かおり

 

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