脾について。その7(脾胃の者、倉廩の官)

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東洋医学からみた『脾』の機能の続きです。

 

 

 

【前回までのお話はこちら】

 

脾について。その1(位置と形態)

 

脾について。その2(脾の機能1)

 

脾について。その3(脾は昇清を主る。)

 

脾について。その4(脾は生血・統血をする。)

 

脾について。その5(脾は肌肉・四肢を主る)

 

脾について。その6(口に開竅し、華は唇にある)

 

 

 

【今回のお話は、ここから】

 

これまで述べた臓腑には、各臓腑の働きをイメージし易いように、『~~の官』という風に古典に書かれていました。

 

・肺は相傅之官。

 

関連:肺について。その5(肺の機能3)

 

 

・大腸は傳導の官。

 

関連:大腸について。その1

 

 

 

【脾胃の者、倉廩の官】

 

脾については、古典である『黄帝内経』に、下記の内容の記述があります。

 

脾胃者、倉廩之官、五味出焉。

黄帝内経素問(霊蘭秘典論篇)より

 

 

かおり意訳

 

脾と胃は、飲食物を管理する役職に就いています。そのため、(消化吸収の役割を担って)五臓に栄養を与える役割があります。

 

 

ちなみに、倉廩(そうりん)とは、穀物を蓄えておく倉庫のことです。

 

ここでも、脾胃と飲食物の消化・吸収の関係が伺われます

 

また、五臓は五神を蔵すというのがありました。(下記のリンク『肺について。その3』に、五神についての解説があります)

 

・肺は魄を蔵す。

 

関連:肺について。その3(肺の機能1)

 

 

そして、脾は『意と知(智)』を蔵しています。

 

意とは、思い巡らしたり考えるということです。

 

知(智)とは、物事を認識したり、判断する能力のことです。

 

脾が蔵している『意・知(智)』が正常に機能していれば、物事を正しく判断したり、思い巡らすことが出来ます。

 

逆に、正常に機能出来ないと、物事をうまく判断出来なくなったり、正常に考えることが出来なくなります。

 

実際に、食べ過ぎて脾に負担がかかると、頭がボーっとして上手く考えることが出来なくなることがありますよね。

 

そういう状況を想像すると、イメージがし易いと思います。

 

また、脾が原因で起きるタイプの鬱病も、意と知(智)が正常に機能していないと考えることが出来ます。

 

頭がボーっとして、なんとなくやる気がでない状況です。

 

そういう場合は、脾を健康にするための養生(たとえば、脾に負担がかかりにくい食事や、運動をして手足をよく動かす)をしながら、脾を良くする経穴に鍼を打つと、治っていきます。

 

 

次回は、脾と胃の関係をお話して、脾についてはいったん終わります。

 

 

 

追記

『脾について』のまとめ

 

 

 

 

 

参考文献

黄帝内経素問 東洋学術出版社

臓腑経絡学 改訂第三版 アルテシミア

鍼灸学[基礎篇] 東洋学術出版社

基礎中医学 燎原

文:木下かおり

 

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